おっさんと小娘

別にテーマとして設定したわけじゃないんだけど、
ロスト・イン・トランスレーション』 、
スローガン』、
と、たてつづけにおっさんと小娘の恋の顛末が
プロットになってる映画をみてしまった。

「おっさんと小娘の恋」がなぜたびたびプロットとして
取り上げられるのかといえば、ひとつにはあまりに
「よくあること」だからではあるのだが、

ちょっと穿った見方をすれば、
純粋に社会文化的な営みであるかのような恋愛沙汰も
生殖という生物学的な制約から自由ではあり得ないということだし、その意味で
現代では数少ない「かなわぬ恋」のための説話的装置だという
ことになのるかもしれない(思いつきです)。

なんていうと「いや歳の差なんて関係ない」と、
我がことのように怒り出したりムキになったりする人がいるのも
おじさんのおじさんたるべき一般的特徴ではあるのだが、

この『スローガン』の後半のベネチアのシーンででてくる
パワーボートの青年のミケランジェロの彫刻のように輝く肉体と
優雅な身のこなしときらきらした無軌道ぶりを見たら誰だって

「いや〜若い方がいいって!」

って思うことだろう。 ほんとうに、そのシーンまでの
ねっとりしたいやらし〜い 感じというのは、
このはじける輝きのためのものだったんじゃないかと思うほどで
みぃこと2人で思わず
「いやー、こっちにしとけって」
「おっさんとくっついてもしょうがないよ」
と、18歳という設定の若きジェーン・バーキンに
声援を送ってしまったほどなのだ。

といわけで我々の声援の甲斐あって
プロットの上ではすべてを失ってしまう
セルジュ・ゲンズブール当時41歳だが、実生活では
英国からやってきたばかりのジェーン・バーキン当時23歳と
この映画で出会ってまさにこれからという段階で、
結局この映画も二人のラブラブっぷりを撮ったようなもので
実ににくたらしいわけですが、

我が家に何度目かに訪れている「フランスのかっこよさ再発見」の心に
見事に答えてくれるものではあったし、

なんといってもこの映画がなければ『なまいきシャルロット』もなかった
わけなので、10代の俺に免じて特に許しちゃう。

“スローガン [DVD]" (ピエール・グランブラ)

日日雑記

Posted by Takuro