理性と感情の背景
ここにはないもの、見えないけれどあるもの、を見いだしたことが
人間の一方の愚かしさをも免罪にするほどの貴重な発見なのであり、
私たちが関わるあらゆる「システム」の背景にあってそれらを
成り立たせているものの存在 ...
春なのに
同じ官舎で息子も同じ兄弟のように
仲良くしていた兄弟が引っ越していった。
引っ越しの朝、いつもは一緒に
じゃれあいながら登校する兄弟に見送られて
一人で歩き出した息子に途中までついて一緒に歩く。 ...
心遠ければ地自ずから偏なり
ブログのタイトルを陶淵明の詩の一節からとって
「心遠地自偏」とした。正確に言うと、
ブログがまだ登場していなかった所謂「日記サイト」時代に
同じタイトルで雑多な文章を書いていたことがあって、
そんなこと ...
この火をとび越せ
身体の芯にまで御神火の熱を通す。
となりではご近所のウキョウくんが
「この火をあたると病気しないんだってさ」
「じゃあいっそ火の中にとびこんじゃえ!」
といつもの仲間たちと顔を赤く染めている。 ...
寒稽古
今日は合気道の寒稽古。
県下の武術団体が1万人寒稽古として
毎年合同で行っているものである。
僕は初めて参加するので少し想像が膨らんでしまって
準備運動をしながらとなりのマサトシくんに
「水 ...
肉を切らせて
テレビは映画とごく限られた特定の番組以外
ほとんどみないけれど、チャンネルをかえるときの
通りすがりの印象は、ひな壇に芸人がたくさんならんでいるか、
そうでなければ世界遺産、である。
これほど大騒ぎ ...
どうなる?どうする?
節目節目で私たちはつい
「今年はどんな年になるんだろう?」とか、
「これからどうなっちゃうんだろう?」とかの
受け身の形で展望してしまうのだけど、
「どうなる?」から「どうする?」へ
まずワ ...
贈りもの
人が書いたものを読むとき
著者の存在をそこに感じてしまうことがあって、
そのことを言い表すために「体温」とか「息づかい」とかの
常套句を使うのはなんかちょっと違う気がするのだが、
この言葉は確かにそのと ...
卒業おめでとう
地震から半月以上がたちました。
「半月」と書いてみて改めてびっくりしてしまうほど
振り返れば長く感じられる日々で、先月までみんなと実験したり
議論していた日々がとても遠くに感じられます。
今日で皆さ ...
犬の目の人
金井美恵子が武田百合子の追悼抄の中で彼女を
犬の目の人、と評していて
金井美恵子はこの言葉を、
男性作家たちが(ごく近しい埴谷雄高みたいな人までが)
を「無垢」や「女性性」のファンタジーにおいて語り ...