天からコロコロ

モツァルトほどBGMにしづらい音楽はない。
BGMとして流すと、たちまち「結婚式場」やら
「ホテルのロビー」やら、要するにモツァルトについた
手垢の方が押し寄せてきてじゃまくさいのだ。

もちろん曲や演奏の問題でもあって、
例えば、

“コンセルトヘボウ・ライヴ1978&1992″ (アルゲリッチ(マルタ))

はBGMにしようがなんだろうが
手垢とは無縁だ。
(別の意味でBGMにしておけないけど)

オーケストラの「露払い」のあと、
気高い確かな足取りで、
裸足でスカートのすそをちょっとあげて、
天上から階段をコロコロと降りてくるピアノ

ああモツァルトだなぁ

生命の本質は「ある」ということだなぁ

否定はできないよ

閉じることもできない

日日雑記

Posted by Takuro