北上のさくら

ははと、みいこと、ロクスケと、
北上展勝地のさくら見に。

ぬるくてすべすべした風
あとからあとからどうどう流れる北上川
おいしそうなすきとおった川縁の草と新緑
広くて抜けた青の空
ずーっとむこうまでもこもこ続く桜並木

おしゃべりしたりだまったり
そしてときどき
いいねぇ いいわねぇ
といいながらずうっと歩く

去年の春まだ桜の咲かないころ
いきあたりばったりで見つけた場所

そのときロクスケは初春の川辺の若草の
中にとつぜんぺったりすわりこんで
うっとりとうごかなくなった。

そのあと桜の季節にはマチゾーさんと。

そして今年は、こうして今のこの僕が
ははと、みいこと、ロクスケと。

人生はまったく油断がならない。

ここで高校生だったらよかったのに。

部活終わってジャージでチャリンコで。
好きな子とすわってずーっとおしゃべりして。
べつだんチューとかはしない 
ただぬるくてすべすべした風に 
うっとりするだけ
(『青い山脈』の草いきれの野原に
ねっころがるシーンみたいな)

みいことの想像ばなしは
だいたいいつも映画のシーンみたくなる

ろくすけは、最初にころんだときつかんだ
わらしべを最後までずーっと離さなかった

その日、長者にはなれなかったけどね。

日日雑記

Posted by Takuro