まだ降らない流星を感じながら
細い蜘蛛の糸をたどって
こうして夏のもやの海に沈む街や
冷たい小川や マイナスイオンの林や
出はじめた星や
昼の熱を残すアスファルトや
草いきれや しつこい羽虫や
高速道路の照明や まっくらな浜辺の花火や
低くとぶ飛行機の照明や 外海の大きな波に
知らない間にこわばっていたモードを
ゆっくり溶かすのを見てる。
「その日その時というのは二度と来ない。
その日どうだったかが巡り合わせという事だ。」
(『セクシーボイスアンドロボ』)
「まったくな 森羅万象に比べりゃ
おれたちなぞちっぽけなものだぞ。
しかしな、それを認めたからといって
行を放棄したり負けてはいかんのだよ。
確かに森羅万象におれたちはかなわんが
その森羅とて実はおれたちにかなわんのさ。
人も森羅も存在するにはそれだけの意味がある。
本当はそこでそのとき出会ったのはなぜなのか、
そのようにしたのはそのように見えたのはなぜなのか
何の意味があるのか、考えねばならんのだ」
(『陰陽師』)
なんて面白いんだろ
それに、きれいだなあ
胸がいっぱいになる