獅子身中のゾウリムシ

先週のQuartzComposerワークショップに続き、今週のProcessingワークショップも無事終了。計540分以上の長時間にわたり、鹿野さん、安斉さん、ほんとにありがとうございました。例題の中に(我々初心者のために)必要最低限の要素を緻密に構成してくださって、鹿野さんは大変だったろうと思うけれど、楽しくてあっという間に時間が経ってしまった。

先週に続き、深い洞察が技術解説の随所ににじみ出る講義で、心の中でむむーとうなり続けた270分だったのだが、心底ドキドキしたのは、オブジェクト指向プログラミングにおけるクラスという概念について「でもループやフロー制御だけでは限界があって、やっぱりクラスをつくって属性を設定してやって「彼ら」がふるまえるようにしなきゃいけない」と、説明されたことだった。クラスの理解としてあたりまえのことなのかもしれないし、鹿野さんとしてもこんなに過剰に反応されても困るとこだと思うのだが、それって、細胞とかニューロンとかと同じじゃん!と、プログラムという外延を欠いた記号の世界にゾウリムシのような原初的な単細胞「生物」が生まれるところをイメージしてドキドキしてしまったのだった。いえ、すみません、ここのところ考えていたことにピカピカひかる金色のピースとしてシャキーンとはまってしまったのです。いやー、しかし浅はかであった。クラスのことなんにも分かってなかったなー

それにしても、参加した大学院生諸氏にあっては、このような「世界の秘密」にも等しい洞察がぽろっと明かされてしまったことがきちんとキャッチされているのであろうか。それに作業時間中に自らあれこれと変更を加える鹿野さんの姿に「プログラミングで絵を描く」という身振りについて(これだけは教科書からは伝わらない)感得していただけたのであろうか。心配だ。

いや、僕みたいにキョロキョロしてないでw、がりがりコーディングしまくるのがこういうときは正しいのです。みんなそれぞれに面白く、なかなかこったものが出来ていた(僕はぬおーと言うばかりで手はお留守であった)。あとは、このあと「誰にたのまれたわけでもないのに」作れるかどうか、だ。なんて、僕に言われたくはないだろうけどね。

それにしても、今回は聴講マストだぞ、としてアナウンスしたにもかかわらず学部生は結局一人も聴きにこなかった。まあ立ちすくんでしまうような状況なのは分かけど、でも、来たからえらくて来なかったからえらくないということではなく、「デザイン」というキーワードにピンときたがゆえに在籍しているはずの400人とかの中で一人も、おそるおそる423のドアをあけて「あのー・・」と訪ねてくる人がいなかったことこそが君たちにとっての曇天なのではないのか?(知らなかったよーということでしたらごめんなさいね)

日日雑記

Posted by Takuro